金峰山 撤退編

こむ

2011年05月03日 17:37

4月29日~30日GW登山に行ってきました。
行き先は金峰山と瑞牆山。
毎年GWに富士見平小屋をベースキャンプにして
金峰山と瑞牆山の両方を登っている方が多かったので
私たちもチャレンジすることにしました。


さて一日目に目指すのは
奥秩父のチョンマゲ君
金峰山

山頂には象徴的な五丈岩がありますよ。
しかし結果的に金峰山撤退・・・一体何が?


4月29日
瑞牆山荘近くの無料駐車場に車を停め出発
朝のひんやりした空気でピリリと気もひきしまり
6時40分 登山道に突入

テント装備は去年の11月に行った雲取山以来
重いけど約1時間弱でテント場の富士見平小屋に到着予定。
よって許すとします。

ビバーク?

遊びながらで相変わらずの鈍足っぷり


瑞牆山が見えますね こちらは細マッチョ君


7時40分
富士見平小屋に到着
ここをベースに必要な荷物だけ持って2つの山を登ります
さっそくテントを設営します
テント設営と準備やらトイレやらで、なんと1時間も消費 アホだ~

余談ですがココ約30年前に殺人事件がありました。
小屋の管理人による強姦目的での女性殺害。
許しがたき犯罪
ここでテン泊することに抵抗がありましたが
人がたっくさんいるのを見たら、
なんだかいけそうな気がしてきた



8時38分 金峰山に向けて出発
今年は雪が多いのでしょう

早々に凍った登山道(2040m位) 滑らない場所を選んで飛び石感覚で進んでいきます
苔むした美しい森  シャクナゲの木がたくさんありました。
あの大輪の花が咲いたらどんなに綺麗だろう


9時41分 大日小屋に到着

ひっそりしていますが、日当たりがよい明るいテント場がありました。

大日小屋を越えると岩がゴロゴロした急登になります。
そろそろ6本爪アイゼンを装着しよう。

凍結している場所と雪がない岩の連続 岩場はアイゼンをつけたまま行きますが
まるで黒板をひっかくような音にウヒィィィィ
鈍足に拍車がかかります

10時40分 大日岩に到着


八ヶ岳 
樹林帯歩きが長いこのルート この景色には元気をもらえます
南アルプスは雲の中でした



再び日が当たらない樹林帯に突入
ここには雪がたっぷりで溶けたり踏み固められた雪は
ぶ厚い一枚の氷と化しています

急坂のアイスバーン

わかりやすい写真がなくてごめんなさい 怖くて撮っていなかったのです。

カッチコチの氷にアイゼンをしっかり踏み込まないと滑ります
急坂では前爪のない6本爪アイゼンでは歩きにくい

そして私は
つるつる急坂アイスバーンのだだっ広い登山道を振り返り
もしも・・・ここでバランスを崩したら、どこまで滑っていくのか
止まるとしたら木に激突?などと想像し
お尻がスゥーっとするのでありました。


うちらは名づける


ここを

Theチンさむロード と。



今年のGWのこのルート
しっかりした冬山装備と経験が必要かな?と感じた
その年の降雪・雪解け状況によるでしょうし、
その日の天気・個人の能力でも違うと思われます
事実、軽アイゼンユーザーも多かったので
自分自身がビビリなだけかも。
まだまだ修行の道は長い



難所のアイスバーンを抜け、サクサクした雪に変わってきました

少しずつ木々の背も少し低くなり風が強くなってきた。
そろそろ森林限界が近そう。



ところが
なぜかここから先に足が進みません
すごく嫌な予感
進んじゃいけない感覚
この時点で怖い場所があるわけじゃない
体もバテてるわけじゃない
時計の標高を見たら2480メートル
もう山頂目前じゃないか
5歩進む
やっぱり無理
これ以上進みたくない 進んじゃいけない




「ここで帰りたいんだけど・・・
12時10分 山頂を目前にして撤退決定。
もうひとりは一人で山頂を往復できたはずだけど、ひとことも文句を言わない。
そんな所がもうひとりのいいとこです。
っていうか言わせないだけか・・・




金峰山 あばよ


大日岩上部で休憩 ここは上まで登れるみたい
今度行った時に登ることに決める。


怖かったアイスバーンも下りではそれほど怖く感じることなく
下ってきました。少し氷が柔らかくなったからかな。

凍ってるけど傾斜が緩やかならビビリも問題なし

ゆっくり慎重に下り
15時 富士見平小屋に到着

テントにもどり昼寝
夕方起きて夕食をむさぼる
ゴロっと寝っ転がって今日一日を振り返る

どうしてあの場所から進まなかったのか
いや進めなかったのか
あと少し。 行けたはずだ。
でも心が足が進むことを拒否した
無視して山頂に進んでいったらどうなったのか
ぶじ帰ってこれただろうか?
自分の理屈抜きの感覚に従って下山した。
そして私ともうひとりは無事にここにいる。
よくわからないけど・・・


たぶん
それでよかったんだ

そしてこの動物的感覚?を大事にしたい・・・


そんなことを考えていたら
深い眠りにおちていきました。


一日目金峰山おわり。
二日目に続く

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